水以外
杠いうれ

シャーレを開けたら 香りだけが入っていた
いくつも 閉じ込めたものがあったのに

落ち着いて
落ち着いて君を捜すと 君が書かれたものは要らないので殺していた
君を見付けたかった

毒があるからと 死ぬかも知れないからと夾竹桃は刈られ
校庭からは花が消えた


ないものばかりを集めるシャーレが
あったかのように思わせるため土に埋められ
いたずらに割られる

そうこうしているうちに私は死んで
あきらかに循環するのは水ぐらいなもので
校庭の蛇口から 夏を含む飛沫が跳ぶ




自由詩 水以外 Copyright 杠いうれ 2010-01-13 15:46:57
notebook Home 戻る  過去 未来