猫がなくので
蒼木りん

猫がなくので
すぐ愛子にいくと
インターネットをやる気にもなれず
寝ころんで
磨いたサッシ戸から月を見て
浮世の面倒から逃避するのです
布団は薄い夏布団二枚と
毛布しかないので
電気毛布の敷くタイプを上に敷いて
温まっていますと
体が乾燥してしまいます
嫌いなものといると
そのことばかり考えているうちに
嫌いなものに染まっているのに気づいて
つまらなくなります
小学生の算数の問題なんかを解いてみると
計算できない自分に
がっかりしてしまいます
どうか
わたしを変えてくれるひと
現れてください

うれしいのは
会社から帰宅すると
犬も猫も
わたしに会いたくて会いたくて
わんわん みゃーみゃー
鳴くことです

おわり



自由詩 猫がなくので Copyright 蒼木りん 2010-01-09 23:11:24
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