いちにちのへんか
小原あき

朝起きて湯を沸かす
洗濯機を回し
仏壇と神棚のご飯を変えて
玄関を掃く
するといつも通りに学生が登校し
その向こう側では山が欠伸をする
洗濯物を干し
朝食を食べ
珈琲を飲む
夫を送り出し
犬の散歩をして
帰ってから家中を掃除する
昼ご飯の準備をし
それを食べる
昼寝をすこしだけして
読書をし
自転車で買い物へ出かける
帰ってから犬の散歩をして
夕飯を作り
夫の帰りを待つ間
洗濯物を畳む



これを飽きもせずに
毎日
同じ順序で繰り返すのです

すると



今朝の山は白い帽子を被っていました
だけど笑っていたのは
空がご機嫌だからでしょうか

温かい珈琲が美味いな

寒い日の散歩は足早で
他の犬とはすれ違わないけれど
雪道に着いた
他の犬の足跡とすれ違いました

こたつでの昼寝は長引きやすいな

冬の日は短く
読書を急かすので
なかなか捗りません
でも今日は
空がご機嫌なので
一緒に同じ本を
いつもより長めに読みました

おかげで
今日はお天気だったのに
ちっとも洗濯物は乾いてませんでした

だけどほんの少し
お天気の匂いがしたのは
気のせい、、かな?



こちらとの均衡を保つかのように
あちらがあちこちで
いつも違うことをしてきます

だからわたしも
いつの間にか
いつも同じではいられなくなってしまうのでした










自由詩 いちにちのへんか Copyright 小原あき 2010-01-08 18:38:59縦
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