せやなそやで
相田 九龍



サッカーボールを持って広場に行くと
いつの間にか
盆踊り用のステージが組まれていて
そこから提灯がぶら下がっている

大平の空をジェット機が横切って
もうすぐ祭が始まるよ
って
知らせるみたいだ


本番の夜になると
同級生のみんなや気になるあの子も
近所の仲良しのおじちゃんもみんなここに集まって
普段おどけてばかりのりょーたが
去年に続いて太鼓を叩く

ドンドン ドドンドドン

勇ましい太鼓が
近所一帯に響き渡る
それを聞いてみんなが
小遣いせびったり
浴衣を着たりして
走り出す
音鳴る方へ


広場の端の方に座って
少しだけ貰った小遣いで
フランクフルトを食べながら
次は誰とすれ違うかなぁ
なんて思ってた自分を思い出して
僕らは何も変わってないよって
君を安心させたくなった


不安がってもしゃーねーからね


「せやな」
「そやで」


携帯写真+詩 せやなそやで Copyright 相田 九龍 2009-12-26 09:16:01
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