冬空
鎖骨




羽根が降っている
黒く震える、黒鉛で編まれた空から
伝える為の光を帯びて
束になることなく散らばる幾億の羽根が
神様を信じようとしていた人達の記憶を抱えて
電線と油と機械に覆われた冬の地表へ
凍える大気に乗って
文字とも音とも取れぬ新しい言語で以って
まだ空を仰ぎみることを懼れないこども達の許へ
果たされなかった予言を今こそ
履行するために








自由詩 冬空 Copyright 鎖骨 2009-11-30 04:25:45縦
notebook Home 戻る  過去 未来