金を手に入れて、そして…
番田 


言葉は誰としてでもなく
残像として流れていく
どんな外側としてでもない 奴隷は
労働者としてでもない ひとつの肉体だ
足先だけで立ち止まりつづける 
そして 角のドライブスルーで メニューに首をかしげながら
愛想の悪い店員の ハンバーガーを枕にさせられながら
僕の 空腹としての 日曜日に
僕は食べるであろう 黒い財布の中の残り少ない小銭を つまんで
白い服を着た店員に悪巧みのサインをする
金庫の場所の在処を示すだろう 暗闇の口元から 僕は
鍵の所在のありかを指し示されマックの店長の車のボンネット
そんな幻は そこではない地図の地点を探しさまようのかもしれない
営業マンだ 歩いていくだろう 具体的になった
耳にする鳥のわからなかった 音楽を放って
スラムからの帰り道を走っていく
酷寒の夜道だ ハンドルの暖かさを
牢屋に思う
こたつはますます人間の居場所をなくする
ネットは牢屋のようで 僕は 命の名前すらもない
名前だけがある空間の方が楽しいだろう 囚人は物体だろうか
指に印 それはハンコなのか 白い
象牙の 喜びを失った この囚人の



自由詩 金を手に入れて、そして… Copyright 番田  2009-11-26 00:11:33
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