その頃わたしはまだ
都志雄

虹の行方を尋ねましたね
庭に駆け出す小さな足で

あれは、たしか夏の終わり

まだ見ぬ向こうに触れたくて
尻尾はそのたび凛と鳴り

その頃わたしはまだ
羽ばたき空飛ぶネコでした



雲の大きさを尋ねましたね
夕日の染める柔らかな頬で

あれは、たしか橋の上

自分がいるのも知らないで
《いちばんきれい》を追っていた

その頃わたしはまだ
パパとママと空でした






自由詩 その頃わたしはまだ Copyright 都志雄 2009-11-24 21:34:05縦
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