白黒。
ヨルノテガム










木が倒れ
声は枯れ
栄養忘れの
内臓は腐り
夜は怒り
怒っちゃやーよと
雷はスベリ
鼻は咲き
泥が湧く
苦雪は山を覆い
空は雲を押し倒す
風の乳房は柔らかな過去
花折れ 首傾げては

地球の裏側で蒸発する





試みはチーズ 搾乳しつつも邪魔をするしゃもじ、米粒は
大げさに踊らされる バカみたいに純粋なおかわりは運ばれて
ストーリーが先か 桜の花びらが先かの緊張を楽しむに至る
あそこの丘を 飛び越えてマンボ 
クジラの秘密基地にクジラはまだいない
檻の中から出てきたちっちゃなお相撲さんが
宇宙よりも時々な間合いで オナラとオッナラのテンションは
上がりまくる 下がるまくるも可。


 「化身の調べ」

 (アホウドリの日記)

 青い目をしたアホウドリの日記
 *読みたい奴はまず探せ

 はり裂けそうな
 「続・化身の調べ」

喉つぶれの餓鬼の咆哮
燃え上がる家屋の爆発と肥大
墨絵で描く焼死体のバク転とその失敗
雲に届きそうな森
鍵のないドブ川
暗証番号は目耳鼻口の並び替え(どこかにほくろを入れること)
すりガラスに映る地図に最寄りの便所までの迷路が刻まれている 
寄り道に ちくわ天うどんはコチラ の↑があって
落とし穴まである

食べものを食べる旅へ出かける満腹感は
虹を歩く気分屋の旅籠であり
熊が出たら 熊鍋に 神が出たなら 神鍋にして
よろしくやっていけたのである
三度目の乾杯!
ご臨終まで飲みつづけろ

ストロベリーミルクアップルティー シナモンチョコ添え
タクラマカン砂漠風ロールケーキミックス、
ふんどしカーペット歩き 電気ウナギの一気飲み、
吐き出しシビレ地中マグマ流ソテーアーモンドまぶしココナッツ
ソースもどき青空炒め、バイオリン寿司、賃貸物件風味を効かせ
服のままエッチ駅で箸休め、とうもろこしは一本丸ごと食べると
当分飽きるを経て 激安、激安、激安に踊らされつづけるガム、
を膨らませ、マスクの内側で破裂させてしまうこととなる
三度目のご臨終!
何光年の宇宙の瞬き 真昼間に街灯が全灯しているような惑星、
唐揚げと唐揚げを頬ばる怪獣、怪獣を頬ばる○×、その○×は
パスタで首を吊っている、首を吊っている宇宙空間、
宇宙空間・・・・・・・・・・・・・・・・・





歩いてゆく
もうひとり歩いてゆく
ひとりは立ちすくむ
長い長い道のりばかり、ぼんやりと、ね
嘘吹いてゆく、本当を・・・・
嘘吹いて歩いてゆく、本当を・・・・
もうひとりも歩いてゆく、嘘吹いて、ね、
立ちすくむだけの毎日を、
歩いている、歩いてゆく、本当を・・・・
歩いているのだろうか、本当に、
足の裏が重痒いね、でも
歩いてゆく
何十年たっても、ほうら、こんな風に
もうふたり歩いている、あんな風に
だから、もっと、本当を・・・・
また最初から何度でも
歩き出している
びっくりするくらい少年少女で
弾みをつけている歩いている
だれかが喜んでいる
だれかも立ちつくしてゆく
あっ、も いっ、も うっ、も
しまいには泳ぎ出している、いや
歩いてゆく
何度目かの回り道、何度目かの
繰り返し、巻き戻し、またきっと
歩き始めるであろう、一歩を
歩いていく
耳が冷たいネ、息も白い、
真っ暗な冬はやってきたのかい
考えながら歩いてゆく
考えるフリしながら歩き疲れる
何も考えないで歩き続ける
もうふたりばかりの皆のことを
考えたりして、欠伸したりして、
声は出さずとも黒い空の下の
電灯の優しさを仰ぎ見ている
どこを歩こう
どんなに歩こう
もう歩いている
不思議に
歩いてしまっている
おかしくなるくらい
歩いて
おかしくなるくらい
幸せに

どこを歩こう





 *




  ひよこがね 歩いていくよと 子どもは言う



  ひよことね 合奏するよと おじいは言う



  歩くから 見ててごらんと ひよこは歩く



  ひよこがまた 歩いてゆくよと 子どもは笑う




 *




 『 鳥だって 歩いて山を 登るの夢 』


どうしようも困った困った困ったチャンネル
なんちゃってを忘れてしまうなんちゃって
鮮やかななんだこりゃ昨日と今日の終りが始まり振り返るのは
空瓶と空瓶の色気のない挨拶ばかりだもの、チャンチャカ
転がって透けて まあ綺麗 なんて遊びが回らないワ
ラッパ飲みが懐かしい 赤ちゃんのマネでもしようかしら
なんちゃつて、オ、オ、オ、オ、オ、オ、オ、オ、オ、
オ、オ、オ、ギ、ギ、ャアアン


  猿芝居 ゆるしてくれる 女の膝


男は
猿芝居をゆるしてくれる女の膝を
探す旅へ出かけました雪景色でした
女は
梅干しを食べて種を飛ばすと
男のこめかみを打ち抜いてしまったのです
女は
それからその男のことを米神様と崇めて、踊り出したそうな
男が
真近で腰の動きばかりを見るものだから
女は
一発、膝蹴りを頬に入れてやりましたとさ。雪景色でした



  心澄む 優雅な暴力 冬景色



優雅な暴力が男の背中を踏みつけていき、
そのまま女の行進は向こうに見える小高い山々まで続いて、
帰りは女に羽が生え、グライダーのように元の地点へ
辿りついたそうな。おかえり。



  膝蹴りの 白い太腿 巡る眠り



・・・・・締められていたネジがゆるむ、外れていく世界の

忘れられたバネ、スイッチ、ぜんまい仕掛けのチョビ髭軍人独り 

VS

湯気立つモジャモジャ髪を振り乱す弁当弁当音楽家、

大量のネジを吐き出しバネは飛び出し 部位は折れ曲がり、

こねくりまわしたの、異形奇形へと翼を広げ、渇き、もだえ、

サビつき穴があき色褪せしぼみ、硬質な音を響かせ、反射せず、

傍観を傍観して傍観し尽くす雨風光闇雨風光闇の焦点の合わない

望遠鏡のような 目を閉じて 見えるところが忘れてしまう、

あ・うん も無い無い 耳づまり鼻づまり息づまり の。




 白のない



 黒のない



 白黒世界・・・・・・・・・・



 もしここが宇宙なら

 視力はいくら要るかしら

 上下天地はどこかしら

 波に揺れない舟に乗りたいのに

 波はまず あるかしら

 生命は起きてるかしら寝てるかしら

 おねしょに照れないかしら。
























                          了




 


自由詩 白黒。 Copyright ヨルノテガム 2009-11-22 19:59:28
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