ビルです
佐々木妖精

ビル があるから空が見えない
等間隔で配置された乱射する窓
屋上中央をほのめかす凹凸
それはそれはとても人工的な囲いが空を狭め

樹木が何百年もかけ届く高さへ、人間は数十倍の速度、数百分の1の時間で到達する。
(かつて 人間の欲望、民族の発展欲には限りがなく、それ故に国家競争が存在し激化し続け、その最終形態が戦争である以上、世界の歴史から戦争の絶えることはないという認識があった)このビルもその一形態、限りない 欲望の形なのだろうか。
善悪や醜美へ振り分ける前に、ただ単純に
(こんなものは作れない)
(作ろうとすら思えない)
この更なる上空 ボイジャーあるいは二号
肉眼では把握し切れないほどに、限りがない

「世界は人間のエゴ全部を飲込めやしない」

俺個人の欲望には限りがあって、ビルすら建てられない。
やりたいことは他の誰かが全てやってくれていて。
限りない様に思える睡眠欲すら、休日に16時間も寝るとお腹一杯。

三大欲とか表現欲とか。
睡眠欲とか表現欲とか。

表現欲 があるのが分かる。
という時は、表現になれてないんだと思う。
もっと夢の中で夢と気付けないみたいな。
したくない したい せざるを得ない
その先へ吸い込まれた時 ビルはどこまでも伸びていく
人間の欲望には限りがない
人間の欲望には限りがない
おかえりエンデバー
私はビルとして建っていた


自由詩 ビルです Copyright 佐々木妖精 2009-11-22 19:40:40縦
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