青空
八男(はちおとこ)


かばんには レニーブルーズの自伝と

上座仏教の指南書とくしゃくしゃのプリント類が入っている

2冊はだいぶ違う本どうしだが どちらも好きだ


でもレニーのほうが好きだ


でもどちらだっておんなじかも


レニーの言葉の向こうも 瞑想の向こうも青空があるから

瞑想の向こうはまだ見えないが

レニーの言葉の向こうには 確実な青空が広がっている



レニーの学校で弁当を泥棒した話の向こうは

涙でいっぱいの青空だった




ぜったいにしたくない女と これまたぜったいにしたくない女

どちらかとしなくちゃいけない究極の選択を

考えていると 

究極の向こうに青空が見えてくる

平和な青空が広がる





ブスな詩人が居酒屋で

空豆は青空みたいに見えるから空豆って言うのよって言っていた

なんともその容姿とその言葉に説得力がなく

その説得力の無さの向こうに青空があった




芝生の向こうの青空から

夕焼けの向こうの青空へと



飛行機は飛んでいく



こんどの青空の日に

河原で石を拾って

花壇をつくる



その上の青空には

とんびが




くるくると

くるくると


うすい影をつくって 泣くのだ  



レニーの言葉の 遥か彼方で



自由詩 青空 Copyright 八男(はちおとこ) 2009-11-18 22:41:07
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