接続詞
たもつ

 
昨日より冷たい君の
手を引いて
坂道を上る
君の腕が肩から
肩から抜けてしまわないように
そっと引いて上る

途中、誰がつくったのか知らないけれど
昔からある赤茶けた工業地帯が
野原の奥の方へと連なっている
今日はお土産になりそうな
部品のようなものや
草花のかけらも見つからない

坂の上にある
小さな無人駅の改札を通り抜けて
車両番号の消えかかった列車に乗る
ただ列車の中で
呼吸をするために

とりとめも無い言葉を
拙い接続詞でつないで
発車していく
いつから僕らは
戦うことをあきらめてしまったのだろう
最初のトンネルにさしかかるころには
頭を垂れて
砂糖菓子のように眠っている



自由詩 接続詞 Copyright たもつ 2009-11-17 21:28:06縦
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