夕暮れ時の・・
ゆびのおと
薄墨色に暮れかけると
そこは
沼の底
ゆっくりと
沈み込む
響かない 足音
重く
さらに重く
山あいの道
影さす 道
ツタの這いまわる 木々の茂る
細い 細い 道
「シズミタマヘヨ キミ」
あおいみどろの
胞子
あしもとから
ふわふわと漂いだし
濃密に 絡みつき 緑に かすかな光を反射し
指先に
鼻腔に
脳に
まとわりついて
あおい みどろの いきものに 染めようと
眠りの 森に 沈めよう と
たくらむ
夕暮れ
自由詩
夕暮れ時の・・
Copyright
ゆびのおと
2009-11-17 00:04:44