路面電車
バンブーブンバ

大きな家並み
さらさらと消えていく
小さいものは遠い
遠いものは小さい
当たり前のこと
当たり前のことなのだけれど
座席にまぁるく
またひとまわり
小さく白い母
毛繕いする風
瞼の裏に
あえかな光
名前のない夢模様
少しでも軽く長くと
膝上のカバン持ちあげて
無人の車掌室
速度メータなぞって
胡乱な傾きに抗いたかったのだけれど
踏切が堰き止めた
ランドセルの群れ
さらさらと消えていく
さらさらと
消えていく



一つの反響
列車は大きな弧を描き
モデラートに
夕陽を抱くから






未詩・独白 路面電車 Copyright バンブーブンバ 2004-09-18 12:29:00
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