Silence
within

気が付くと音が止んでいた
いつもより時間が経つのが
早い気がする
雨はもう上がっていて
日はまだ差さないけれど
射し込む予感はあった
燃やされる堆積物に
湿った身体をそっと寄せる
釣り上げた銀の魚のエラに
ナイフを入れて
息の根を止める
一筋の血潮に
動かない目に映るのは
灰色の地上か
深青の淵か
欲情のままに求める心は
天使の翼を奪うのか
鳥になる。
そう言い残して消えていった
溺れた金魚は
呼吸も出来ずに
真っ赤なカラダを只一度
くねらせて
くるり


自由詩 Silence Copyright within 2009-11-13 12:40:27
notebook Home 戻る