白黒
ヨルノテガム



二百円分の
ガソリン入れて
バイクは過去走る




  『 白 黒 』



昨日歩いた陽気な商店街は一ヶ月も前から閉店している、今日。
公園と庭園(公園と庭園を)繋ぐ、虚ろな橋を 向こうに見えた




 旅行カバン 転がる先に うさぎは逃げる



 アセモがね 出来ちゃったと 宇宙人は言う



 白い犬に クロと、黒い犬に シロと名を



 白雪を フワリと手に乗せ 消え入った




満員電車に乗ると周りは顔半分が銀、半分は黒の仮面を
被った社交パーティーであった、外を眺めると 二階も三階も
四階もまた テナント募集のビルの窓は暗く・・・・




 寒空を ホウキに乗って 魔女がオナる



 女の尻を 叩くと男が 声洩らす



 温めて 薄めた牛乳を 女は飲んだ



 冷たいからと 足を失くして あなたは彷徨う




公衆電話ボックスに釣り糸を垂れていると
いつの間にか草履の片方が釣れていて 
過去に何かを忘れてきてしまった思いにかられる




 灯を消すと 影絵のように 話し出す



 横断歩道 縦断してゆく 車が通る



 手袋と 足袋を間違え 四足歩行



 うさぎ跳び 羽が生え空を うさぎ飛び




鳥を撃ち 落ちてくる、するりと旋回して逃げてった
今ごろ バーン と音がした




 湿り帯び 街を架空へ 霧景色



 日常だゼ! ピエロは無言で そう言った



 喪服姿の 親戚に 欲情する午後



 槍投げて 砲丸投げて 出会う点



 アナタに 耳元で愛を 囁かせる刑




寝ころんで物を書き、起きても物を書いている生活をしていると、
結局 アナタは昔は人が好きだったと言いたいわけねっ と
書いた物を全て放り出されてしまった




 アナタに 芋栗なんきん 買ったげる 

          それくらいの 笑顔が見たい



 薄紅の 口元に灯る 月のひかり



 火をつけて 昔の女は 語り出し 

          サティの調べ のような目をする



 シロクロの 写真でうつす 恐竜時代



 冬暮れの うすきみの森 駆け抜ける





ある日 
女の顔が花で
ジュースを飲んでて
女の口が花でジュースを
チュウチュウしていて横顔が
ちょっとした絵のようで 絵になるよ、と
言って 服を脱がせた それ以来
何も見ていないような目で
起きて寝て素晴らしい
日が次々と来る
ようだった




 湯面を 右手で叩き 肌想う



 腰から下 揺れていいですか 太古のように



 指つめた ヤクザがコンビニで 釣り落とす



 恐竜の 足元に虹 踏みよける



 ランドセル 給食袋が 揺れてカワユス



 未来も過去も 感じないまま 卵は割れる



 カロリーばかり 感じながら 囲む食卓



 玉ねぎを いじらしいと 思うのですが



 ミミズ腫れの 美少年の次に 鞭打たれ



 ルービック キューブの面 塗りつぶす




 *



 懐かしい 生まれたままの 男と女

      足の指と 足と尻とを 奪い合う




 唐突に 鉄の塊 蝿が持ち上げ



 ヒーローを テコの原理で 活躍させる



 足音に咲く 幸せな花 渡してあげる




寝てる布団に
上がってくる猫の
踏みつけてくる
軽い歩行が
忘れられない




 黒い騎士と 白い騎士、月夜に 交じりてキス死



 遺影に映る シロクロの園 なんて淡いの





(足音に咲く 幸せな花 渡してあげる)

















自由詩 白黒 Copyright ヨルノテガム 2009-11-11 18:40:29
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