水の、この中へと
番田 

僕は言葉の破片を
手にしながら さまよい歩いていく 夜の間を
ただ 僕はいったい何なのだろうとやめない どこまでも止まることを
夜の間は続いていく どこまでも

子供が作った抜け道もあるかもしれない そこに
秘密基地というやつだろうか
ああ 今でもあるのだろうか そんなのは
懐かしくなる けれど わからない 

この川の中には メダカがいて
幻想的な世界を展開している 藻にまみれた
上から 巨大な水槽とはちがって 見ると
奥行きがある とても 

そこに 影が映っているから 自分自身の
わかる 隔たりがあるのだと
僕の世界というのは 普段生きていても 誰にでもあるから
大切に そんな瞬間を したくなる  


自由詩 水の、この中へと Copyright 番田  2009-10-26 00:00:32縦
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