地球上の愛について
きらく

落ち着いて急ぐとしよう もうきっと間に合わないから焦らなくていい

千年が過ぎたら星を旅してる機械船にも休みをやろう

踏みつけた桜がいつか役割を終えて機械の一部になる夢

気分的には最悪だ 理論的には正論だ そんな気分だ

音信が途絶えた人に会いたいと思った夜の僕はみじめだ

指きりの作法その一、表情はウブい顔してはにかみながら

冷えきった夜の空気をひとしきり吸い込み愛を叫んでみたい

衝動を抑えきれずに駆け出して僕の家路を思い出すんだ

かけがえのない街だとは思わないけれどもきっと君は好きだよ

細胞に染み付いているのに記憶なんて呼べない記録がみえる

青色の底に沈んだ白色のひび割れについた君の血液

すれ違う人の全てに関係や絆と違う感情がある

コスモスへ定時連絡 地球にはまだ愛が満ち足りていなかった

週末の空が晴れたらひっそりと誰にも告げず失踪しよう

雨の日の朝によく似た落ち着きを思い返して彼女に会おう


短歌 地球上の愛について Copyright きらく 2009-10-25 00:14:28
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