零の手
都志雄

  
ねぇ 和尚

いくら頭をひねってみても
片手に音は鳴りませぬ

無辺なるゼロが「ある」ばかり

だから人は繰り返すのでしょうか
妙なる音を探し求めて




ねぇ 和尚

私のスコアボードには
永遠にゼロが並ぶよう

近づくほどに「世界」は遠のき

そしてまた続くのでしょうか
ゼロの織りなすパターンで





ねぇ 和尚





沈黙もまた答えです




刈田を染める落日や

あなたの背に吹く南風

そこにもぜろが舞い立って

手と手が鳴らすその音は













































自由詩 零の手 Copyright 都志雄 2009-10-15 22:00:06
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