手のひらに
小原あき
心臓と
おなじ大きさの
ぬくもりを
いつも
探しています
手のひらに
余るぬくもりは
あったかすぎて
いろんなことに
鈍くなってしまいます
手のひらに
なんにもないと
いつのまにか
握りこぶしになり
誰かと
手を繋ぐことも
ままなりません
手のひらに
ちょうど良くおさまる
そんなぬくもりは
鈍くなったり
握りこぶしになったりせず
心臓を快適に
動かしてくれます
手のひらに
ちょうど良くおさまる
そんなぬくもりは
なかなか見つかりません
だから
見つけた時
こんなにも愛しいのです