アフロブルー
都志雄

薄情な黄色信号が回れ右して
今夜は空に麒麟が泳ぐ

街の宝石の輝きの中、
エルヴィンのビートが
麒麟の鋼の鱗を叩くと
コルトレーンのブローは
燃える上空に赤銅色の汗を射精する


車のライトの洪水の中で僕は
麒麟のいなかった日を数えてる
深炒り? 
浅炒り?
明日が叫び始める

ソウル
ソウルをくれよ、McCoy
ムコウガワに行かせてよ、
Escキーのムコウガワ

誰が、
誰が走ってくるのか
灰色高架のムコウガワ
虐げられた祈りから hop, step, hop, step,


薄情な黄色信号が回れ右して
今夜は空に麒麟が泳ぐ

コルトレーンがうねり
エルヴィンが煽る
夜の狭間にトビウオ跳ねて
麒麟のカウントダウンが始まる

焦るほどに足場は崩れて
最後の苦しみ
そしてまた何かが始まるんだ


薄情な黄色信号が回れ右して
今夜は空に麒麟が泳ぐ

コルトレーンが煽り
エルヴィンがうねる
夜の波間に火花が走り
麒麟がいる夜にやがて
永遠の黄色信号が点る


自由詩 アフロブルー Copyright 都志雄 2009-10-13 17:21:27
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