ケイローン考
都志雄

そのいて座の子らは
日曜日の夜が好き
うたげのあとの
ゼロの織りなすパターンが

ひょっこりと
谷で夜風に当たったり
市役所の屋上から綿毛を飛ばし
無人駅の明かりをともす
路地裏で「ピッツバーグ」とか言ってみる

麦秋に吹く南風が
ブリキ小屋を撫でる月曜日は
一人ぼっちのアイドルで
丘の上で口ずさめ

夕日が滴を降らせるままにしておいて!
ゼロが引き金を引くんだから
(いや、これとて正確とは言えないが・・・)

夜の明度を弾く弦は、
誰だろう?

霰が降っていますよ、ねぇ(君の袖ひっぱる)

暖かい布団の中で
いて座の子らは
麦畑のブリキ小屋になる

ア・ケ・テ・ユ・ク・・・ソラ!
(黄色信号よ永遠に)
ステキ!
とだれかれ構わず抱きついて
次の瞬間はもう
デニムブルーの難しい顔



自由詩 ケイローン考 Copyright 都志雄 2009-10-11 22:52:00
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