atoz(omit root)
鎖骨



四半世紀を懸けて架けた橋を壊してしまってよ


窓際に並べたコーク
牛乳に入れて飲むんだ
ぼくだけが加速していくの
倦怠を等分に切り分ける時計の中で


裸電球にかけてあげる、
傘をつくっているところ
感情を糸にして、寄せて
目の細かな網の
光熱に溶ける更紗の


秒の、小数点以下三桁の
足取りまで追い駆ける
相対する半球の季節まで輸入できる時代
それを当然だと思い込める感覚
ぼくには分からない
きみらは、恋人役を幾らで買い入れたの?
それとも売ってしまった?
ぼくには分からない
突き抜けてもいけない裏側の事情まで
舌を這わせて喜んで
せかいじゅうのどこにだってゆうじんが
つくれるんだなんてそんな話を笑ってすることが共通の幸せになるだなんて


録っているときは
タラップは上らないでよ
リズム隊は定員オーバー
金輪際採用枠が空く事なんて
ないことをいい加減認識してくれたら
夜はもっとそれぞれに
慎ましく穏やかに移ろえる時間になるだろうに


形骸と理屈だけ舐めてきたこの指で
情念と理想から乖離できないこの両目で
自分の血を見て初めて知覚される感覚
滑らかに鋭敏化する軸索
精密を内包した単純が全てを凌駕する
それだけを今は信じられる
そこには宇宙が
静かで侵されることのない
あらゆるかたちをとる不可視の那由他が既に孕まれている
文字と酒と音楽の齎す高揚が無条件にぼくをそこへ









自由詩 atoz(omit root) Copyright 鎖骨 2009-10-09 02:03:13縦
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