かいそう
あおば

               091008


カマンダレが
雨の中で
大きな石を持ち上げては
池の中に
ドボンと
音を立てて
投げ込んでいる
音の善し悪しが
彼にとっては
重大なことの
ようで
飛沫がどこまで
跳ぶかよりも
音の
強弱
余韻
破裂する聴覚の感覚が
彼の
生を
呼ぶ

かんたんな音と
ふくざつな音が
台風の襲来を
恐れ
戦いて
誰も近づこうとしない池の畔
暴風雨の予感に苛まれ
ドボンという音を
何度も耳の中に呼び覚ます








「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作、タイトルは、小川 葉さん


自由詩 かいそう Copyright あおば 2009-10-08 00:45:55
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