夜/わらう
鎖骨


歪みがまだ今でも
降っている真夜中
整然と聳える街灯
その首を支えたい
優しく声を掛けて


誰も気付けないの
孤高と孤独の違い
出来合いの許容心
尖っていて温いの
憐れみの言葉と瞳


ベランダから猫が
降ってくる真夜中
造り事と笑うかな
つい先刻起きた事
今にきみの許にも


眠れない感情線を
環状に結べたなら
なんて詮のない事
そればかり繰返し
何もないんだ何も




コーヒーの染み、紙の上の
年月の染み、髪の上で震えるそれぞれの光輪
なにもないこと
あるようだったけどなかったこと
なにもないなにもないなにもないなにもない
焦燥だけの日々


ふたつのまっさらな思想と
ふたりのまっさおな約束は
遠い日の夏のアスファルトに染みになって残った
高いところから落とされた鳥の糞のように
明日もきっと息苦しい暑さだから
打ち水を見にゆきましょうよ
あの子たちのところまで
アスファルトの坂を上って






自由詩 夜/わらう Copyright 鎖骨 2009-09-30 01:46:32縦
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