「中庭黄緑灯夜」
Leaf
夜が更け、仄かに灯ってた中庭の静かな黄緑
3つ程滲み溜まった
フィラメントの光粒子が屯う傍で
誰も気に止めず、
人影を探す椅子はつまらなそうに
悪戯に気のない夜風に囲まれ
佇んでいました
閑寂とした葉脈に
微睡んだパラソルの
優しい寝息が聴こえてきそうで
休息の象徴は
開いたままでは明日への光りが弱ってしまうから
傘を綴じた夢を
観ているに違いない、きっと
椅子の白さが
黄緑色に交じり始めた頃、
辺りの闇から
寝静まった木々の鼾がさわさわと聴こえます
それらに諭されるように私はベランダを後にしました
そのままベッドに導かれ、
瞼を閉じれば眼の奥で
黄緑の灯りに塗れることが出来、
耳に微かに残る
蝉の啼声なんかを思い出せる
程無くして
黄緑の環に浴すれば
徐々に明日への初秋が
色彩き始めるのでしょう