忘却の青い時間
中原 那由多
いずれ修復されるだろうと
私はただ見つめていた
やがてそれすらも忘れてしまい
背景の一つとして色を変えた
置き去りにされたもの
斜陽がそっと撫でてゆく
価値がないから捨てられるのか
捨てられて価値がなくなるのか
ひたすら生きる花に問う
焦る意味もないのに
何をそんなに抱え込んでいるのだろう
求めることを隠せずに
幼稚にも妬んでしまう
肥大化した片思いに気付いた時には
もう、吐き出すことしか出来なかった
開き直れば痛みは消える
要らないものを必死で探して
結局何が残ったんだろう
ゴミ箱は相変わらず綺麗なままで
その存在理由を確かめつつある
部屋を抜け出す口実に
今日は缶コーヒーを買いに出かけた