あなたと僕と猫と猫
リーフレイン


僕のアパートは猫が飼えない
窓から見えるのは隣の物置と、アルミのベランダの裏側だけ
コンビニのビニール袋が 風にふかれてカサカサ笑い
忘れられた洗濯物が 雨に打たれてしおしお泣いてる

あなたは いない


ね、明日、僕らの家を探しにいこう

まあるい陽だまりと、ちいさな隅っこがある家がいいよ
猫専用の物見台があって、
とりそこないの雑草が生えて
星が見える窓と、朝日が射す窓がある

夜、玄関に小さな明かりが灯されて、
夕飯のパイが一人分残ってて
あなたが本を読みながら待っている
あなたと僕と猫と猫

ね、明日、僕らの家を探しにいこう


コンクリートの箱が積み上げられて、お仕着せの四角い間取り
見た目はきれいな安物の壁
定番になった部屋って嫌気がさすのさ
同じ部屋に同じようなカップルが住んで
同じご飯を食べて、同じ車に乗って

だけどあなたは いない


ね、明日、扉を探そう
どこにもない、どこにも繋がっていない扉をさ
堅くて厚い木製で 不思議な模様が刻んであるんだ

ある日、そのドアを開けたなら
どこにも咲いてなかった花が咲いて
僕らだけの空が広がる
あなたと僕と猫と猫


自由詩 あなたと僕と猫と猫 Copyright リーフレイン 2009-09-14 13:13:50
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