世界の中心でアイを叫んだけもの
e.mei



(終わる世界、)


(青い鳥が空へと流れた、)


ようすいに集まった子供は暗くなるまえに家に帰る
こころのかたち、人のかたち、
雪を知らないアマリリスを神さまと見間違えたと知らずに何人かは
海のなかに沈んでしまう


嘘と沈黙、
/のなかで
黒い雲から祈りの雨が降って
星の海で漂流するわたしの目をあなたが
食べてしまえば、
鳴らない、電話、
/に、わたしは祈る
あなたを見つけなければ百の名前は意味を喪ってしまうのだけど
わたしはただもらうばかりで
月の光がいまも
みえない、


子供たち、
沈んでしまった子供たちは知っていた、
見間違えた神さまを追いかけていたことを
わたし、
忘れてはならない
アマリリスは沈んでゆく子供に言葉を渡していたことを、
夜の霧で見えなくなった神さまのことを、
あなた、
終わりを願うのをやめてください
最果ての空に雪が降る、
ひかりは
夜にあかいあかいアマリリスを視た
太陽の欠片、
死に至る病、そして、
あなたは
星に生まれた子供を知っていますか
わたし、
空が死んでしまった悲しみから
あたらしい誕生を拒絶して落ちてゆく、
わたしは時計の針を進めたいので
ちくたく/ちくたく、
誰かが遠くで沈んでくのをみていた
それは神さまではなかったらいいねと、
子供たち、
私の願っていたまぼろしの通信をする
さよなら/またね/ばいばい、
いくつもの夜を経てもあたらしい朝は
やってこない、


(動かなくなった子供は海のなかで
 創りだそうとする
 新たな言語を、
 消えてゆく時は上昇する水位に怯えて逃げた大人たちへ、
 Air、
 太陽が見えなくなってから咲いたアマリリスが忘れられない
 あなたは永遠ばかりさがしている、
 静止した闇の中で、
 子供たちは流れるひかりを飲もうとしている自分に気付く
 堆積する負の感情に
 ひかりをうしなったあの星の名前を、
 見知らぬ、天井、
 /を眺めては思う
 みんなみんな忘れてしまったと、
 溺れてしまう子供たちもやがて何も遺さず消えてしまうのだけど
 あなたもいつかは沈んでゆくものだと知ってるわたしは、
 せめて、人間らしく、
 /と願う。)


マグマダイバー、


奇跡の価値は、
夏に降る雪のなかで音もなく育っている
追いかけてきていた時間の終わりに
あなたが眠り続けてた理由を問う
最後のシ者、
生きているわたしたちの言語の終わり
わたしは落ちる
青い鳥と離れ
星の海へと、


(Fly me to the moon
 /おめでとう、)


自由詩 世界の中心でアイを叫んだけもの Copyright e.mei 2009-09-12 10:02:42縦
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