ドーラの休日
瑠王

お帰りなさい
お疲れでしょう
揺り椅子にでもおかけになって
紅茶でもいかがでしょう
お下げをほどいて
ブーツを脱いで
銃を置いたらいかがでしょう

母親らしくなんて
似つかわしくもない
貴女はいつまでも
女過ぎます

シャルルも
ルイも
アンリも
国王達は皆
もう眠っています
貴女の息子達は
宝石の夢で眠ります
貴女の背中に宿る
宝石の瞳に眠ります
雲が千切れれば
貴女の宝石の瞳は
またの城へと向けられて
本能とかいう女の直感で
今を駆けるのですね

エプロンなんて
似つかわしくもない
貴女はいつまでも
勇まし過ぎます

赤い髪を編んで
あの人の残した船で
空を駆けるのですね

母親らしくなんて
似つかわしくもない
貴女はいつまでも
女過ぎます

だけど貴女の背中に
一言だけ
げさせてください

   、と



それでは
いってらっしゃい


自由詩 ドーラの休日 Copyright 瑠王 2009-09-07 02:46:44
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