まだ大丈夫だろと呟きながら
リーフレイン



盆がすぎ、まだ青々と立つ稲の 鈴花が
まだ咲かぬのかと歯軋りする歯は黄色く毀れ
甘みが乗らなかった梨の実をもぎ
浅く掘った穴に震える足で踏みつけていく
「来年はがんばれよ」 と 呟きながら
鍬の刃を継ぎかえる楔 打つ腹に力が入らない

雑木草はかわらず繁茂し 空なお高く
雲白く 風飄々と通り抜け
野分け後、赤く染まった夕日を見るにつけ
「まだ大丈夫だろ」 と 呟きながら

今年は豆を4回に分けて蒔いた
「きっとどれかは おてんとさんに合っとる」 と 呟きながら


自由詩 まだ大丈夫だろと呟きながら Copyright リーフレイン 2009-08-25 10:41:11
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