「 恋愛密室。 」
PULL.







泡だらけの手であなたを掴みにゅるにゅると手なずける逮捕前夜。

汗まみれで犯行に使用された「凶器」を握り締め眠る安堵は。

トリックを解くようにフロントホックを外す今夜の名探偵。


誰も死なない夜はさみしくてひとりマッチを擦ってからだに火をつける。

いつかつかまるのが解っているから安心して逃げられる密室。

この血痕を辿ってゆけばどこかにあなたの知らないあたしがいる。


鏡の向こうで知らない顔した女が喘いでる見られてる。

見られたら殺すしかないだから後ろから首を絞められイクイク逝…。

「死ぬ!死ぬ!。」と絶叫しながら果てるあたしのダイイング・メッセージ。


「犯人は犯行現場にもどる!。」だからこの部屋からもう一度…。

共犯ではなく主犯でいたいせめてあなたとのセックスの時は。


そして誰もいなくなり縛られて密室にされたからだを犯される。












           了。



短歌 「 恋愛密室。 」 Copyright PULL. 2009-08-21 18:14:32
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