竹林
……とある蛙

山腹から漂い降りる朝靄に

竹林に朝靄が
風に漂う朝靄の中
溌剌とし
凜とした景色を観る

竹林に偲べば
風に漂う朝靄の中
遠く霞み
曖昧な昨日を見る

竹林に及べば
風に漂う朝靄の背後
竹林の背景に
凄烈に屹立する山脈

竹林に遊べば
陽光に立つ朝靄の中
仰ぎ見る直立の線描が
昨日の憂いを呼び醒ます

ああ 喟然(※)として
遠景を眺望すれば
青々とした山腹に
薄黄緑の後悔が透けて見える。



※喟然(きぜん)ためいきをつく様子。嘆息するさま


自由詩 竹林 Copyright ……とある蛙 2009-08-18 11:12:38
notebook Home 戻る