おおう
石川和広

怒って、震えていてあなたの眼球がこわばって後退りながら私を見据えている。私の頭は熱くて地は冷たい。もう駄目だ。あなたに、ヒドイコトをいってしまいそう。ファミレスで全員の眼差しを脅威と感じて振り上げた手を降ろす。いつも何かに怒り、その度に世界全てが私を見つめている。静かに。石ころもそうだしさっきのコップの水もはりつめていた。いつも畏れている。そして、ビクビクしている。私の怒りは対象が特定できない。世界全体へのふるえる掌汗、口の乾き。振動。革命的ビビり。疲れた私は今、後退戦を演じている。神経挫滅しながら雲睨む。


自由詩 おおう Copyright 石川和広 2004-09-08 15:26:46
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