嘘吐き/ト/メチルアルコール
aidanico


そら耳が
聞こえたのでは
二十日鼠のようにからからと廻って
…ッ滑車の音だか
…湯冷ましの温度だか
…その濃度だとか
煩い、辛気臭い
気さえする

十字路がある
水溜りがある
蛙が干上がっている
たくさん干上がっている
飽和量はとっくに超えているのに
考えがまだ浅いとしぶとく根付くのだ

ソレラハイツカ群ヲ為シテ/大キナ幹ニナルトイウ
ビアズリーの実は裸をしてカイエに帰すると言う
単なるうわ言、旦那の間男、フォグの密度睦言、
漏れなく殿方に恩賞が与えられると言う

サンザシの甘さとか
願掛けのつたなさとか
段取りの悪さとか
ほんとは嘘でもほんとでもよかったと
思っている



自由詩 嘘吐き/ト/メチルアルコール Copyright aidanico 2009-07-24 16:32:37縦
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