雨の部屋
虹村 凌

諦め、絶望、倦怠、鬱屈
何処からか湧いてでたそいつらが腰にぶら下がっている
不安材料?そんなに生易しいものじゃない
諦め、絶望、倦怠、鬱屈
他人と比べたりなんかしねぇ。不幸自慢もしねぇ
したってしょうがねぇし、どうにかなるものでもねぇ
でも、今のテンションじゃ真っ直ぐ前見て歩けねぇ
ポケットに手ェ突っ込んで、煙草咥えて、壁に寄りかかって
斜めになった世界を眺める

世の中の99%以上が、あまりにもどうでもいい事で構成されている
「俺は必要とされているのか?」
『誰もテメェなんざ気にしちゃいねぇよ』
現実。曲がった背骨に覆いかぶさる、現実
別に必要とされてなくちゃ生きていけない程弱くねぇ
同じように今の俺は誰も必要としちゃいねぇ

あー
煙草をバイト先に忘れてきちゃったよ

世界の色んなものが壊れていく気がするよ
それも、壊されていく気がする
別に最初からそこにあった訳じゃないから
作り上げるしかないのだけど
理想の世界、小さな世界はやはり崩壊していくのだろう

らせん階段
 世界が循環して
カブトムシ
 何度も何度も息をする
廃墟の町
 そして何度も目を閉じる
イチジクのタルト
 白い生地の上に散らばる
カブトムシ
 何度も何度も何度も何度も
ドロローサへの道
 神も仏もありゃしねぇ
カブトムシ
 ただ何度も何度も
特異点
 交差する通過する
ジョット
 描いた世界とは違う世界
天使
 どうやって辿り着けるのか
紫陽花
 耐えていればいいのか 
カブトムシ
 何度も何度も立ち上がって
特異点
 交差して通過する
秘密の皇帝
 バイバイ

バイバイ、ジャンプ
バイバイ、引き金を引く
バイバイ、椅子を蹴る
バイバイ、飛び込む
バイバイ、飲み込む
バイバイ、バイバイ

雨が降っている時に部屋の中にいると落ち着く
落ち着く


自由詩 雨の部屋 Copyright 虹村 凌 2009-07-02 19:32:47
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