一期一会の春先
こしごえ

雪解け道を歩いて行く
正午を呼ぶのはかなしびか
生めない、老馬の針仕事

今日は、と今日も初めてのあいさつをする
失われた空の色はいまも青く
生み落とされた核の舞台裏
微温む静水の夢

ルフラン ルフランルフラン
風の運ぶ匂
見つめた夕陽
とってもまるく真っ白で
しん と光る 雪国の

ひらかれる春が散り終われば
おもひ出の夏が、来るよ



自由詩 一期一会の春先 Copyright こしごえ 2009-07-01 08:27:43
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