マイ・ファーストレディ
山田せばすちゃん

きみが去っていった寂しさに耐えかねて
やけくそで立候補してなんとか故郷の知事になったのに
きみは帰ってきてくれなかった
やっぱり宮崎の田舎はいやだったのかい?
金柑とマンゴーと地鶏と宮崎牛じゃ
君の心は取り戻せなかったのかい?
いっそ東京都知事になればよかった
東京シティマラソンを都知事自ら走ったらきっと
きみにとっても誉められたんじゃないかと思うんだ

かくなる上は国政に!
でも員数あわせの陣笠代議士じゃあ
多分きみは帰ってきてくれない
質問するからNHKの国会中継見てねって
メールできるようになるにも時間がかかりすぎるから
だから自民党総裁になって
国会議員に当選した暁には
公明党にも頭を下げて
なんなら共産党くらい
官房費の前払いでまるごと買収しちゃってもいいや

あらゆる手段で政権を維持して
総理大臣になるんだ
組閣も認証もさっさと片付けて
なりたい奴がなりたい大臣やればいい
足りなきゃ厚生労働省だって再分割してやるよ

さあとにもかくにも所信表明演説だ
地方分権、財源確保、国際平和に景気回復
なんだっていい、どんな奇麗事だって並べてあげるよ
そして演説の最後に
最後にきみにもう一度言いたいんだ

「かずこ、首相官邸にさ、きみの部屋を空けておくよ
 かずこ、オバマ大統領のホームパーティに呼ばれたんだ
 二人で政府専用機でアメリカに行こう
 かずこ、いつだっていつまでだってきみこそが
 本当の僕のファーストレディだよ」


自由詩 マイ・ファーストレディ Copyright 山田せばすちゃん 2009-06-24 16:12:50縦
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