銀河系のような渦
でこちゃん

まだスギ花粉が飛んでいた季節
古びた銭湯の内部が解体されていた
外壁は取り除かれ
外から丸見えの脱衣所からは
ロッカーが撤去された跡
その奥に見える浴場には
所々剥げた富士山の絵
中途半端に掘り散らかっているタイルの床
誰もいないその空間から
何かが渦巻いて
外へ飛び出していくのを見た
その時はその渦に銀河系のようなイメージがあった

梅雨入りして
久しぶりにあの解体をしていた銭湯の近くへ
建物自体はまだあることが確認できた距離まで行くと
あの時見た銀河系のような渦が
建物に入っていくのが見えた
渦を追うように目の前まで行くと
外壁だったところは透明のガラス張りになっていて
かつて脱衣所や浴場だったスペースは
すっかり木材の壁や床で覆われ
新しい木の匂いと綺麗に並べられた植物の数々
花屋というには切花が無いのでちょっと違う
鉢に植えられた緑の植物だけが
心地よさ気な空間をつくりだしていた

最近よくあるリノベーション
けれど心に留まったのは
新しくなった店の様子ではなく
銀河系のような渦


時間とか運とか
そんなもので動いて動かされて
形を変えても
それは
渦は
いつもそこにある


自由詩 銀河系のような渦 Copyright でこちゃん 2009-06-24 00:09:40縦
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