石鹸ヲ洗ウ
aidanico

カラス石鹸「を」洗う偶に会う二度も匂う大吟醸フライパン上気丈の鴉微少のグラス揺れる肺ブランコ割れる爪サーカス星が瞬く宝石に換わる汗見送る贈る言葉を考えているずっと、星座板ペン先で示されたのは、言葉なんて陳腐なもんじゃなかっただからきょうも石鹸を洗う丁寧に暖かい手で優しく時間をかけて

洗面器の中で目を開けようとすると眼球が割れるかと思うほどに水の冷たさが刺す様に眼窩まで響いて・それは呪い魔法なんて生易しいものではない刻印のような熱く押された或いは膿を出して出して出し続けた末の傷跡なのかも知れぬシフォンの透けるカーテン丹念に編みこまれたレース異例の選択待ち続けることが、出来なかった、息をするのさえ、忘れて/いた誰/か酸/素/を供給/して・洗濯機がまわる放り込まれた洗剤から養分を得て一人でに育ってゆくカルキ臭い水の中で体温が緩やかに上昇していく

鴉のねぐら闇の斑抱かれながら次に出す言葉を考えている


自由詩 石鹸ヲ洗ウ Copyright aidanico 2009-06-17 23:06:42
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