雨音
銀猫

雨の匂いがする
埃っぽい陽射しの名残りを弔って
闇に隠れ
秘密裏に行われる洗礼は
いつしか
もっと内側まで注がれるはず、
そんなことを
どこか信じている
陰音階の音だけ降らせ
目に見えない雨粒は
飽和、
それから氾濫
濁流となって
わたしを飲み込み
行方不明の感情のもとへ
流れ着かせてくれるだろう

雨の匂いがする
チャコールグレイの空は
雲ひとつ隔て
星が瞬く宙空を
等しく誰からも消し去り
明日の希望が
思いつかないことや
眠りが浅いことを
甘く赦してくれるのだ

雨の、匂い
すべて
遮る





自由詩 雨音 Copyright 銀猫 2009-05-28 23:28:07縦
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