朝
虹村 凌
遠くのビルの上の方でざわめく航空標識の赤い燈が
少しも愛情を感じさせない顔つきで
「愛してる」
と言ったお前に見えた
僕の希望がお前の希望を犯して蝕んでいく
原点から点々と点が伸びてやがて線に
線は延びて折れてやがて面に
愛した思い出を愛してるだけだよ
メリーゴーラウンドのメランコリックな速度に
振り落とされて弾き飛ばされて
遠く遠く離れていく
朝風呂桶の中で沈んでいく
自由詩
朝
Copyright
虹村 凌
2009-05-27 19:22:44
この文書は以下の文書グループに登録されています。
創書日和、過去。