くる
砂木

ちいちゃな芽をぶつぶつと
たくさん出してた 春

嫁いだのに
お前の担当だなどと
親に 言われ

私に 実を選られた 桃

収穫の時を迎え
みためにも 柔らかく 香ばしい

台風が来るよ

まだ 取り入れのできない
食べられないものは 諦める
事しかできない

せめて
ぎりぎり もぎとれるものは
もぎおろしてしまいたい

桃ちゃん 落ちる 桃ちゃん 落ちる
何度も 父母 に言うと
取り入れを許してくれた
出荷用ではないので
見殺しにされる恐れもあり

小さな桃の木 一本
母と 二人
あっと いうまに 取り入れは終わる

台風がくる

見捨てられるものが 
わかっていても
どうする事もできずに
見捨てられるもりが
陽射し に 生き生きと 生きてて

桃ちゃん 良かったね

私は 自己満足だけで
眼 を瞑り

後は 待つ


自由詩 くる Copyright 砂木 2004-08-30 07:24:49
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