置手紙
佐々宝砂

さっき何となく星が見たくて外に出ました曇りなので星は見えま
せんでした街灯ばかりがあかるい淋しい夜です何がしたかったの
かわからなくなって家に戻りました家の中は静かなようでいてじ
つはいろんな物音でいっぱいです冷蔵庫がうなり湯沸かしポット
が思い出したようにうめき私は脈絡なく死にたいと口にしますあ
なたにこんなことを言うのはとても久しぷりですねでも心配しな
いで私は死にません私はなぜだか死なないように思うのです星座
がくずれ海が沸きあがり山々が噴火し隕石が落ち地震が起きて奇
妙で醜悪な病が世界を覆うときも私はきっと生きているだろうと
思うのですもちろん溶岩につつまれたり頭に石が落ちてきたりし
たら熱かったり痛かったりするだろうとは思いますがそれでもた
ぶん私は生きているでしょう私は死にませんだからあなたは安心
して死んでいてくださいでは私はそろそろでかけます


自由詩 置手紙 Copyright 佐々宝砂 2004-08-30 06:49:49
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