月風鳥花人
茶釜

咲いた花実は何もしなくても
雨に風に歳月にいつかは落とされる
枝も木も
どんなに立派で大きくても
終わりは来てしまう

そんな世界にせっかく頑張って立っているものを
そんなに無下に揺すりなさるな
叩きなさるな
およしなさいよ
ほらまた一本
細い枝から折れてゆく
まだ青くて小さな実から落ちてゆく

ごらんなさいよ
痩せっぽちの小鳥が一羽
すらっと伸びたあの枝の上
やっと見つけた真っ赤な甘い実を
あんなに美味しそうにほおばっているじゃござんせんか


自由詩 月風鳥花人 Copyright 茶釜 2009-05-10 18:40:19
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