泣く子も黙れよ
aidanico

ころしてやりたいのに、搾り出した鳥殼のような声で、ゆるく爆ぜるように言葉は飛んでいった・なにを・だれを・どうして?・理由なんて必要なかったし、益して言い訳なんて、そんな、安いペットボトルのおまけみたいなものなんて、こっちからお断りしてあげるよ・肩が震えるのはどうして?映る色彩が滲むのはどうして?真っ直ぐに向いた顔を背けてしまったのはいつから?自然だった、俯くのは、挨拶だって、小さく籠もった声で、何時だって・起きる時間を決められたのは幾つの頃までだった、問いかけも怒号も水を入れたグラス越しのように湾曲しだらしなく伸びやがて糸の様な手を伸ばすだろう。都合のいいあしたを作り上げたいなんて、括ってしまってから言えよ。涙なんて、もう見慣れている。それでも流れるものならば、水だと受け止め眺めよう、舌を出して絡めとろう、泣く子も黙れよ。吐くほど嘆けよ。


自由詩 泣く子も黙れよ Copyright aidanico 2009-05-08 20:58:31縦
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