低い月
FUBAR

輝く身体を滑らしながら
じゃあ、と
ぜんぜん悪くないじゃん、と
顔の傷痕は唾液で満たされた
腕のそれには
唾を吐きかけ踏みにじるであろうことを想像する

くすんだ紫のパンジーに
行こうとしていた年への別れを告げた夜だった
ひたすらにうとましかった低い月
きっともう目にすることはない

かつてはレイカと呼ばれていた
いまはルミと呼んでいる


自由詩 低い月 Copyright FUBAR 2009-05-05 02:10:04
notebook Home 戻る  過去 未来