しかられて
銀猫




野良猫を叱るために
名前をつけた
せっかく咲いた花の匂いを
ふるびたさかなの骨で
台無しにしたからね
眠れるはずの夜は
色が薄くて
もう愛想が尽きた
昨日歩いた川べりで
干からびていたハルジョオン
たぶん
ゆめの成分に似ている
みず、

ゆめ、
見ず
眠らなければ
失くしたことに気づかない
きっと
みず、
見ない
野良猫は明日も来る
さかなのゆめを
毎日見ているのだろう
その土くれに
さかなはいないよ
ひとつだけしか
名前は用意できなかったんだ
(春と夏に挟まった
(今日にはなまえが無い









自由詩 しかられて Copyright 銀猫 2009-05-01 21:31:15
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