(仮題のままの数編と決定された一編)ある都へ ⅰ
非在の虹

ため息も聞こえず
足音も途絶えた
この都には夜しかない

都 命を包んで静まる場所
がない 女や男はうごめき
悲しむ

私は伝えなければならないだろう
これは悲劇的なことだ
私が知る上で最も悲劇的な

   「僕の夜が始まっている
   失望というには あまりに
   急速な夜だ 僕には
   冷たい手しか残っていない」

この都には夜しかない
足音も途絶えた
ため息も聞こえず


自由詩 (仮題のままの数編と決定された一編)ある都へ ⅰ Copyright 非在の虹 2009-04-18 22:10:54
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(仮題のままの数編と決定された一編)ある都へ