咲くら舞う
かんな


足下の花びらが
しきりにバトンを渡そうとする
あなたも咲いたらいい
そう言っているのかもしれなくて
ただただ季節はめぐるから


がんばれない
そううつむくあなたの額にも
舞って花びらは立ち止まりそしてひと休み
おしゃべりな花たちも
きっと何も言わずに見つめているから


迷ったっていい
そう話すあなたの瞳の中にも
舞って花びらは映りこんで
ふわふわふりふりふらふらどこで踊ろう
きっと悩んであなたの手をとる


みんなありがとう
そうつぶやいたあなたの手のひら
舞ったちっちゃな花びらを包み込むから
ぎゅって音などしないのにどうして
ぎゅって言うのでしょうかとあなたに聴いた


まずはここから始めよう
そう言ったあなたの足下に
舞い落ちた花びらがバトンを抱えて
よいしょよいしょと持ち上げるから
あなたの笑顔も咲いたらいい



自由詩 咲くら舞う Copyright かんな 2009-04-15 05:16:34縦
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