ホテルフリーダム
チアーヌ

ダサい名前
酔っ払って
あんた誰?みたいな中年男と
駆け込んだボロい部屋

例えばそこで
一発済んだあと
がたがた動くベッドに不審の念を持ち
マットレスを上げてみたら
ベッドの下に
真っ暗な地下へ降りてゆく階段が
出てきたとしても
わたしは驚いたりしない

降りてみるよ

枕元の有線チャンネルから
流れるドゥービーブラザーズ
景気づけにでかい音で鳴らして

ねえあなたもどう
一緒に降りてみたい?

どこまでも

もう忘れるくらい
階段を降りてゆくと
そこには古びたドア

さあ開けてみようよ?
もしかしたら
フリーダムかもしれないじゃん?

わたしは開けるよ

そこは道路
舗装された道路
まっすぐな道
両側は空き地

ふとみると
いつのまに
隣の男が若い
わたしは子供
なるほど
このくらいの年の差が
あったわけね

ここはどこ

まぁ、いいか
後で考えよう
後で

フリーダムかもしれないし


自由詩 ホテルフリーダム Copyright チアーヌ 2004-08-25 12:35:01
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